2005年分はこちらです
コラム
県議会だよりに掲載されたコラムをご紹介します

 学校=「余暇」?

 最近、教育・学校関係の「相談」や「苦情」などが増えています。かつては「教育」を自らの生涯の仕事として目指したことも思い起こし、県政・県議会の場で力を入れていきたいと思います。
 低年齢化する犯罪、学力低下など、日本の教育・学校は、重い課題に直面しています。子どもは、学校と塾での勉強で忙しい、先生たちも大変なようです。「詰め込み主義」「管理主義」とも指摘される日本の教育。危機感をいだきます。

「学校」について、英語の「スクール」(school)が広く使われていますが、「スクール」の語源は、ギリシャ語の「スコーレ」だそうです。「スコ―レ」の意味は、「余暇」ということで、現在の「学校」のイメージとは、ずいぶんかけ離れた意味合いだなーと感じます。
 しかし、こういう状況のときだからこそ、「スコ―レ」という「学校」のもともとの意味に立ち返って、学校・教育のあり方を根本から考えていくことが必要では―と思います。
【04.12.16】

       
「路面電車ルネッサンス」
 
 熊本市電で残っているのは、熊本駅―健軍、上熊本―健軍の2路線。「自動車化」のなかでやっと守った2路線でした。かつては、川尻線、広町線、子飼線、南熊本線がありました。学生時代は、子飼まで歩いて、市電に乗って街(上・下通りなど)に出たものでした。  

 時代が移って、路面電車が、「人と環境にやさしい乗りもの」として脚光を浴びるようになってきました。呼び名も「LRT」(ライト・レール・トランジット)と呼ばれたりして。

 世界中で復活・発展してきた路面電車が、日本でも各地で蘇ろうとしています。「路面電車ルネッサンス」(宇都宮浄人著)によると、新たに路面電車、LRTを街づくりの中で生かしていこうと考えている都市、地域が29になる(03年6月時点)ということです。 
 
 国体道路の渋滞解消、長年の懸案である沼山津までの延伸、東部と北部をつなぐ路線など、路面電車のネットワークでつながる21世紀の「森と水のまち」熊本市の姿をイメージすると気持ちがわくわくします。
【04.12.4


     
熊本(肥後)弁で憲法9条を

 憲法9条を守ろうーこの1点で、多くの人の気持ちが触れ合い、さまざまな行動が始まっています。「全国お郷(くに)ことば・憲法9条」というユニークな本が出版されています。専門家の監修をうけず、インターネットや新聞を通じて知った全国各地の「9条を守りたい」ひとりひとりが、私の使う「方言」で「憲法9条」を表現しています。熊本からは、熊本市と八代市の2人の方の「お郷ことばによる9条」が掲っています。同じ熊本でもかなり違っています。そこがまたこの本の魅力・味でもあるようです。

 一緒に朗読CDもはいっています。樫山文江さん、市原悦子さん、渡辺えり子さん、佐藤B作さんなどが読み手ではいっています。これもなかなかのものです。

 国民の過半数が、「憲法9条を守る」と意思表明すれば改悪をくい止めることができます。自分のことばで、憲法9条の大切さを語っていきましょう。
 
 「だけんがにゃ『おどんげがくにゃあ、ほかん国といくさばしまっせん』ってしとっとたい」(「お郷ことば・憲法9条」八代市・二見孝一さんの文より)
【04.11.21】


             
「基本」の大事さ

 この欄に、「40数年ぶりにソフトテニスを始めました」と書きました。週2〜3時間練習に励んでいます。体のためにもいい感じですが、もうひとつプラスがありました。

 コーチによれば、私のフォームは我流で、無駄な力がはいりすぎ、そのためにボールの行方が定まらない、よけい疲れるーということです。確かにコーチの指導どおりのフォームでボールをとらえると、うまいことボールがかえっていきます。「基本」が大事だということを改めて学びました。

 テニスも「基本」を守って腕をあげたいと思います。そして人生も、政治活動、議員活動も「基本」に忠実に、益々がんばってまいります。
【04.11.14】



校区運動会 

 今年も校区運動会に参加しました。毎年のことながら体協関係の皆さんの頑張りには頭が下がります。

 障害レース、リレー、玉いれ、総踊り、綱引き、仮装行列、フォークダンスなど多彩な企画に、関係者の皆さんの努力と工夫が感じられます。

 今年はオリンピックの年。仮装行列のテーマは期せずして、ほぼオリンピック一色。私のつれあいも仮装行列に熱中、あれやこれやと幾晩も頭を悩ませていました。ついつい私もアドバイスとあいなり、運動会当日の仮装行列のバックミュージックには、私のCD、(オリンピック放送の時流されていた)“ゆず”の「栄光の架け橋」の出番となりました。
 
 私は、綱引きに出て全力投球、最初に勝って、次に負けて、負けて。そのあとすぐ、「青春のフォークダンス」。

 相当ハードで疲れましたが、「明日の頑張り」につながる、さわやかな秋の1日でした。
【04.10.17】


ゴルフ場と高速道路はふるさとにはそぐわない

 生まれ育ったふるさとー上益城郡御船町高山です。かなり前になりますが、ゴルフ場がつくられました。フナなどを釣った川がだめになり、ヤマモモ、ヤマイチゴ、ざくろ、栗などをとりにいっていた山がなくなりました。

 「とおるちゃん、どぎゃんかしてくれ」、早朝、「高山」のひとから電話がありました。村の端をかすめ、神社の裏をぬける高速道路(九州横断道延岡線)づくりが進んでいるというのです。総事業費780億円、御船町から延岡市につなぐ計画です。8月には、御船・嘉島・益城・矢部4町への説明会がもたれています。

 ふるさとには兄家族、親戚、小さいころから世話になった人たちがいます。なによりも慣れ親しんだ豊かな自然が残っています。
【04.10.3】



40数年ぶりにテニスに挑戦

 健康が一番。加えて県議としてのつとめを果たすためには体力も必要です。人吉、水俣、荒尾、選挙区は広い熊本市、ついつい体力的にあごが出てしまいがちです。ウオーキングは欠かさずやっていますが、「体力をつけよう」と一念発起、中学時代やっていたソフトテニスをやろうと、地域のスポーツクラブに入会しました。さしあたりのラケットは、事務所の同僚の西川悦子の息子さんのものを譲ってもらいました。なにしろ40何年ぶりのテニスです。朝のウオーキングのあと素振りに励んでいます。悩みは、土曜、日曜の練習時間にいろんな日程がはいってしまうことです。

 校区の運動会、青年とのソフトボール交流等々、私にとって「スポーツの明」といったところです。
【04.9.19】



「華氏911」と「戦争と平和」

 マイケル・ムーア監督の映画「華氏911」。日本のマスコミ(テレビ、新聞など)ではほとんど伝えられていない、「イラクとアメリカ」の姿。「真実を知ったら、みんなの目もさめるし、世の中もよくなるんだ」と言いきるムーア監督の熱い思いが伝わってきました。

 イラクで起きた「人質」事件の被害者・高遠菜穂子さん著の「戦争と平和」。日本のマスコミへの訴えや情報提提供がほとんど没になり、悲惨なイラクの現実は伝えられない。一方マスコミでは「多摩川のタマちゃんの目に釣り糸が刺さっていることの方が大問題になっていた」と高遠さん。「誰も知らないことは、たとえ事実であっても、なかったと同じである」との訴えがずしりときます。

 ムーア監督の「華氏911」、高遠菜穂子さんの「戦争と平和」、真実を知る、真実を知らせることの意味を考えさせてくれました。一見、一読をお勧めします。
【04.9.5】


150億と2億

 国土交通省がこっそり進めていた川辺がダム費用の見直し(増額)。県の負担が150億も増えることが明らかになりました。

 子供の命と健康のためにー願いをこめたお母さんたちを中心とする「乳幼児医療費の小学校入学前無料化」の署名が、1万をこえ、2万、3万へと広がっているそうです。このための新たな費用は、2億円から3億円。今年(16年度)は、見送られてしまいました。

 川辺川ダム建設のような大型公共事業に巨額にお金をつぎ込んで、「財政再建団体」へ突き進むのか。福祉や教育、中小商工業、農林水産業のためのきめ細かな施策を具体化し、熊本の「元気づくり」をすすめるのか。「県政の主役」である県民が、いま声をあげるとき。県政への提案、意見をお寄せください。
【04.8.15】


ハンセン病元患者・早野孝義さんを偲ぶ

 日本共産党員として、菊池恵楓園で、ハンセン病患者・元患者の人間回復のために、たたかい続けてこられた早野孝義さん(85歳)の葬儀が、恵楓園内のやすらぎ会館でありました。ハンセン病国賠訴訟全国協議会会長のこだま雄二さんから、「あなたは、私たちのたたかいの羅針盤でした」との「お別れのメッセージ」が読み上げられました。早野さんの、ながいながい隔離生活、そのなかでの人間回復のたたかいでした。それでもおだやかな笑顔を絶やさない方でした。最初の出会いは40年近く前、私の学生時代でした。共産党関係の連絡文書を届けにいったときでした。園内で道に迷ってしまい、ハンセン病についての科学的知見もなかった私にとって、大変緊張した数時間でした。読経のなかそんなあれこれが甦ってきました。

 早野さん、永い間ご苦労様でした。私なりに遺志をついで、ハンセン病問題の根本解決のために、県議会をはじめ可能なかぎりの場で頑張ってまいります。
【04.8.1】


川辺川ダム・諫早干拓中止の大きな戦力 仁比聡平参議院議員の誕生

 今回の参院選挙は、日本共産党にとって大変残念な結果になりました。謙虚に反省し、総括を深め、くらしと平和を守る責任と役割を果たせるしっかりとした存在に前進するよう、いっそう励む決意です。

 全体としては残念ななかで、仁比聡平参議院議員の誕生は、熊本にとって「貴重な勝利」でした。

 川辺川ダム受注企業から自民党への政治献金問題、「流域の安全」の根拠に国交省が上げていた水害死者数のウソ(実際は2名を52名と)を明らかにしたり、国会で川辺川ダム問題を活発に取り上げてきた日本共産党国会議員団川辺川ダムプロジェクト責任者の小沢和秋衆院議員が引退してポッカリ穴が開いていました。小沢さんのバトンを受け継ぐのが仁比聡平議員です。

 諫早干拓中止を求める漁民・市民が「よみがえれ有明海訴訟」に立ち上がっています。この裁判の弁護団メンバーとしてたたかってきたのが仁比弁護士です。諫早干拓中止の弁論が、国会での追及へと拡がっていきます。

 ハンセン病国倍訴訟の弁護団メンバーとしても活躍してきました。

 40才の元気いっぱい世代。川辺川ダム・諫早干拓中止、人権を守る課題など、熊本県の抱える課題を県民・国民の立場で解決していくうえで、仁比聡平さんの議席獲得は、大きな展望を与えてくれました。
【04.7.18】



主役を主役らしくするためにー政治の向きを逆に

 ※小泉内閣の3年間で、銀行の中小企業向け貸し出しは54兆円も減。こんな銀行へ30兆円もの公的資金を投入―信用保証協会に(銀行への)公的資金の1割を回すだけで、約60兆円の中小企業貸付の保証が可能に。

 ※大企業やゼネコン向けの日本政策投資銀行には1兆2千億円。中小企業支援の公的金融(国民生活金融公庫、中小企業金融公庫)には、3000億、4000億―逆ならば、倒産・廃業などせず、助かる中小企業も。

※国の中小企業予算全部で1738億円。アメリカ軍への思いやり予算(野球場をつくったり、風呂が三つもある住宅をつくったり)には2441億円 「思いやる」相手が間違っている。

 ※経済産業省の研究開発補助金。日立・東芝など上位10社だけで414億円。500万の中小企業全体で73億円―技術力はあるが資金がない中小企業にこそ補助金が必要。

 企業数の99%、従業員数の70%、製造出荷額の半分以上を占める中小企業こそ「日本経済の主役」です。
【04.6.20】



法律がさえぎった「マンション建設反対」の住民の願い

 道路を広げたり、被害補償の約束、住民の要求に沿った工事協定締結、家屋調査の実施など、1年近くの反対運動で、マンション業者側も大幅に譲歩しました。しかし建設阻止はできませんでした。「法律どおりやっている」の一点張りで業者は譲りませんでした。住民の前に立ちはだかったのは「法律の壁」でした。今度の国会で、住宅地にマンションがより建てやすいように法改正(改悪)が、自民・公明・民主賛成でなされました。怒りが収まりません。

 27日市民団体の皆さんと一緒に国土交通省に行き、「住宅地でのマンション建設規制」を強く求めました。
【04.6.6】


ミユージシャンたちの地球への思い

 連休のひととき、河内から金峰山を抜け、森林浴にひたりながら、あらためて自然のすばらしさを感じたものでした。

 ミュージシャンの坂本龍一、音楽プロデュサーの小林武史、「ミス・チル」(Mr・Children)の桜井和寿の3人共同で、自然エネルギー、省エネルギーや環境に関する事業に資金援助する「APバンク」というの設立したそうです。「私たちは、今世の中で使われているエネルギーを自然エネルギーの代替することは決して無理なことではないと考えています。そしてみんなが自然エネルギーを使うことで、現在の環境破壊的なエネルギーを奪うために起こっている戦争や破壊を防ぐことが出来ると信じています」−3人の思いです。

 日本が本気で自然エネルギーにとりくんだら、太陽エネルギーで現在の6億倍、風力で2万倍、バイオマスで6万倍の可能性があるそうです。EU(ヨーロッパ連合)は、2010年までに自然エネルギーの割合を12%まで引き揚げる計画をたてています。しかし日本は、相も変わらず原発依存、石油大量消費中心のエネルギー計画です。

 自・公の小泉政治には、ミユージシャンたちの純粋な思いも届きません。壊され汚される自然もかわいそうです。そのしっぺ返しは、やがて人間が受けることになります。
【04.5.16】



廃棄物特別委でこの1年頑張ります

 資本主義経済が最初に恐慌を経験したのは1825年のイギリス。180年たっても資本主義は「恐慌」という病をなおす処方箋を持ちません。さらに貧富の差の拡大、戦争、地球温暖化、資源の枯渇。資本主義の耐用年数切れが大きな問題になってきています。

 「大量生産、大量販売、大量消費」による廃棄物の大量発生も現代資本主義の病の一つ。利潤第1の企業にとっては「使い捨て」が鉄則。資本主義は「地球をゴミ捨て場にする」仕組みでもあります。

 廃棄物対策は重く大きな課題ですが、県議会廃棄物対策特別委メンバーとして(任期は1年)、個々の問題解決のために、現場に足を運び、住民の声を聞きながら全力で臨んでいきたいと思います。
【04.4.11】


成人の日―未来は青年のもの
 
 成人の日のあれこれを伝えるテレビを見ながら、自分自身の20歳当時を思い起こしていました。集会呼びかけのたて看板づくり、クラスまわり、自治会役員選挙等々―本分である大学の勉強は脇において、学生運動(もちろん「暴力学生」ではありません)に熱中していました。いま思うと反省することも多々ですが、血をたぎらせ、必死に、平和や自分の人生を探求した時期でした。

 成人式報道のなかで、うれしいニュースがありました。熊本の民法テレビが、成人式会場で行った100人シール投票、「あなたはイラクへの自衛隊派遣に賛成ですか。反対ですか」。結果は、賛成30人、反対58人、わからない12人ということでした。

 21世紀は青年が主役で築いていく世紀。若い世代の平和への思い、環境への関心、腐敗や不正への怒り、生きることへの前向きな欲求を信じ、「『未来は青年のもの』。青年とともに、平和でさきが見える年にしよう」と心に決めた2004年の1月12日でした。
【04.1.18】





日本共産党熊本県議会議員 松岡徹
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