質疑・討論の主な内容
2006年 9月 定例会 10月4日

知事提出議案 平成17年度決算に対する反対討論
 
◆(松岡徹君) 日本共産党の松岡徹です。
 知事提出議案第32号、2005年度、平成17年度一般会計歳入歳出決算認定について、反対討論を行います。
 まず、決算の審査、認定をどういうふうに位置づけ、どういう角度から行うべきかということであります。
 言うまでもなく、決算審査において、議会が決定した予算が適正に執行されたかどうかを審査しなければなりません。同時に、重要なことは、その予算の行政効果や経済効果を測定し、後年度の予算編成や行政執行に生かすことであります。
 決算審査を通じて、行政効果の客観的判断と今後の改善・反省点を把握し、生かすという立場で05年度一般会計決算をとらえてみますと、厳しい財政事情の中、小児救急対策、中小企業支援など、福祉、医療、暮らしに配慮した施策が盛り込まれているなどの積極面がある一方、県民から信頼される県政、県民の視点に立った透明性の高い行財政運営とは言いがたい問題点を含んでおります。
 以下、3つの点を問題点として指摘したいと思います。
 まず第1に、同和問題であります。
 部落解放同盟への補助金3,240万円、同和会への補助金2,146万5,000円、人権教育研究協議会へ315万円、合わせて5,701万5,000円であります。このほか、部落解放県研究集会、九州集会、全国集会、西日本夏期講座などへの参加費等は、県全体でどれだけというのはつかめないのが実態であります。補助金の額は、03年度以前よりも1,200万円程度減ってはおりますが、他の団体への補助金と比べると異常に高い額であります。
 私は、これまで部落問題、同和問題について繰り返し取り上げてまいりました。その基本は、部落差別問題は解消、解決の段階にあり、残された課題は、一般行政、教育の中で、さらには民主主義的な運動と取り組みの中で国民融合的に解決されるべきであり、部落解放同盟による暴力的糾弾、利権の取得、行政と教育への介入などは、そうした解決の道への障害であり、逆差別を助長するものであると指摘してまいりました。
 県内では、上益城郡で、小学生1人に対して3人から4人の先生がついての勉強会、菊池郡で、2億5,000万円の費用でつくった養豚場の使用料が月に4万5,000円という問題などを挙げて、逆差別の実態を明らかにしてきたところであります。
 部落解放同盟県連の05年度決算によれば、県補助金及び集会参加費などが総収入の大半を占めています。部落解放同盟などの活動を、県を初め行政の補助金が後押ししているわけであります。
 財政危機の中で、県民サービスのカット、負担増、県職員の給与削減などを求める一方、部落解放同盟などへの多額の補助金等の支出は、不公正、不当極まりないものであります。
 05年度決算に見られる県の部落解放同盟などへの追従姿勢は、一段とひどくなっていると言わざるを得ません。
 最近、奈良、大阪、京都における部落解放同盟関係者による事件、犯罪、そして行政の彼らに対する追従の実態が明らかになっています。奈良では、解同幹部が、5年9カ月の間に8日間しか出勤しないで、給料2,475万円をもらい、市役所に出入りし、入札制度の変更を妨害し、逮捕されています。大阪では、解同系病院に、40年間にわたり320億円もの補助金、貸付金が支出されている問題が明らかになり、解同幹部が4億円を私物化し、業務上横領容疑で逮捕されました。京都では、覚せい剤取締法違反、銃刀法違反で逮捕され分限処分になった人物に対して、京都市が再度採用する、4カ月の間に43回休暇をとり、出勤は1カ月平均11日という異常な勤務実態が放置され、その女性職員が覚せい剤使用容疑で逮捕されています。こうした問題について、解同タブーの中にあるマスコミも、さすがに報道せざるを得ず、全国的に大きな問題になっています。
 問題は、こういうような状況の中で、いわゆる解同関係者の事件、犯罪、行政の追従という問題が大きな社会問題になっている中で、9月30日から3日間にわたって、部落解放同盟中央本部などによる部落解放全国研究集会が熊本で開かれました。これに対して熊本県は、400万円の補助金を出して、教育委員会、知事部局合わせて950名の職員が、4,000円の参加費を払って参加をしています。参加費だけでも380万円であります。
 こうしたあり方あるいは財政の支出が県民に納得してもらえるのか、到底信頼と納得を得るものではないことは明らかであります。
 私は、これまでも、多額の補助金の問題、研修会などへの参加、さらには人権同和教育の名による教育のゆがみなど、県行政、教育委員会の部落解放同盟などへの追従、屈服の姿勢を厳しく批判してまいりましたけれども、改めて05年度決算の重大な問題点として、重ねて指摘するものであります。
 2点目に、議会関係費用であります。
 これでは、県議の海外視察費が1,414万円、費用弁償5,469万円、政務調査費1億9,320万円が支出されています。これらについては、これまでこの場で再三問題点を挙げてまいりました。県財政が厳しい中であります。公費による海外視察は凍結すべきであり、費用弁償では、包括外部監査報告でも指摘されている昭和28年のままの区分を見直し、実費支給にすべきであります。政務調査費については、領収書を添えての報告に改めるべきであります。
 3点目は、公共事業の入札の改革であります。
 私は、昨年11月議会の04年度一般会計決算に対する討論の中で、県発注工事の平均落札率が98%であり、高値日本一と指摘されている問題を取り上げました。もちろん、落札は、安ければ安いほどよいというものではありません。ダンピング、手抜き工事、下請や労働者、従業員への……
○議長(松村昭君) 残り時間が少なくなりましたので、討論を簡潔に願います。
◆(松岡徹君) (続) しわ寄せの防止等がなされなければなりません。このことを前提に、公共事業の入札、発注の公正さと効率性を図らなければなりません。
 そして、隣県でも実施されている条件つき一般競争入札を、1億円以上まで広げることを提起いたしました。既に現時点ではこの点の改善はなされておりますが、05年の平均落札率は95.4%であり、九州では宮崎県に次ぐ高さであります。
 官製談合事件が福島、和歌山、宮崎と相次ぎ明らかになり、大きな政治・社会問題になっております。この分野のさらなる改革を求めるものであります。
 以上で05年度一般会計決算に対する討論を終わります。

◎知事(潮谷義子さん) 本日追加提案しました議案について御説明申し上げます。
 熊本県高齢者、障害者等の自立と社会的活動への参加の促進に関する条例の一部を改正する条例の制定については、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律等の制定に伴い、同法との整合性を図るため、所要の改正を行うこととしております。
 以上、よろしく御審議の上、何とぞ速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
 なお、先月30日に提出した議案のうち、県立菊池高校管理・教室棟改築工事に係る工事請負契約の締結については、契約の相手方が辞退したことを受け、撤回の許可を求めております。
 県としては、引き続き整備が着実に進むよう取り組んでまいりますので、あわせてよろしくお願い申し上げます。




日本共産党熊本県議会議員 松岡徹
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