質疑・討論の主な内容
2006年 9月 定例会 10月4日

「労働法制の改悪に反対する意見書」趣旨説明
 
◆(松岡)岩中伸二議員と共同で提出しております議員提出議案第9号労働法制の改悪に反対する意見書について、提出者としての説明を行います。
 「規制緩和」の名による労働法制の改悪によって、契約社員、派遣労働、パートなどの非正規雇用が増え、正社員の大量リストラがなされてきました。1995年からの10年間でみると、非正規雇用労働者は650万人増え、労働者全体の3人に1人、若年層では2人に1人が非正規雇用となっています。1994年には、194万人だった完全失業者は300万人になっています。失業率はやや改善されつつあるといわれておりますが、完全失業者の中には、約60万人のニートの数は含まれておらず、雇用の不安定化、失業の増大、生活の破綻が進行しています。年収300万以下がこの5年間で185万人も増えています。貯蓄残高ゼロ世帯が1970年代初頭には3・2%だったのが05年には23・8%に、生活保護の受給者は10年前は60万世帯だったのが100万世帯になっています。 自己破産は3年連続20万件、自殺者は7年連続3万人以上という状況です。OECDの調査によると日本の貧困率は、加盟25ヶ国中第5位になっています。
 その一方で、上場企業は、連結経常利益で、04年三月期18兆6千億円、05年3月期23兆2千億円と過去最高を連続更新しバル期をしのぐ高収益をあげています。
 労働法制の「規制緩和」がもたらしたものは、結局のところ、大企業などがより豊かになり、労働者、国民の生活が脅かされることになるということであります。
 私どもが意見書を提案しているのは、財界が、これでもまだ足りないとして雇用分野におけるさらなる改悪、「規制緩和」を求め、それを受けて政府が具体化を進めつつあるからであります。
 労働契約法制では、労働者側が対等な立場で意見や要求を主張できる制度的保障もない労使委員会によって、労働条件の決定・変更がなされ、使用者側の意のままに賃下げ、配転、解雇などが行えるようになります。また不利益を受ける労働者が、提訴しても勝訴の可能性がほとんどなくなり、労働者が、問題を裁判所に持ち出すことも出来ず泣き寝入りしなければならなくなるわけであります。
 労働時間法制では、「自律」とか「裁量」の名のもとに、労働時間の規制をはずし、サービス残業を野放しにし、結果として過労死や精神疾患など、労働者の健康破壊をさらにすすめるものです。
 労働法制の改悪、「規制緩和」は、自らの利益最優先の財界の強い要求にもとづくものでありますが、それだけではありません。04年4月18日の在日米国商工会議所の政策提言書は、日本に対して、「労働者派遣法の規制をより緩和する」「雇用関係における契約の自由の明確化の促進」「残業手当資格の対象外とする従業員の範囲の拡大」などを求めております。いますすめられている労働法制の改悪の内容は、このアメリカ財界の意向にぴったり沿ってる訳であります。
 労働者、国民の雇用、権利、暮らしよりも、財界とアメリカの利益を優先する労働法制改悪に対して、これを許さないとの意思を明確にすることを主旨とする議員提出議案第9号の採択を願い、提出者としての説明を終わります。




日本共産党熊本県議会議員 松岡徹
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