質疑・討論の主な内容
2006年 2月定例会 3月22日

知事の知事提出議案や請願についての討論>
 ・06年度一般会計予算反対討論
 
・国民保護法に関する請願について
 ・医療制度改革に関して、国に意見書を求める請願について
 ・庶民大増税、消費税引き上げなど、大増税に関して国へ意見書を求  める請願について


知事の知事提出議案や請願についての討論

 
06年度一般会計予算反対討論

 

日本共産党の松岡徹です。 まず知事提出議案64号06年度一般会計予算についてです。
 知事が今議会初日の議案説明のなかで、「国の財政再建に主眼がおかれた感が拭えず」「地方分権の実現のための改革には程遠い内容」と指摘された「三位一体改革」の名による国からの財政縮減によって、03から06年にかけて国庫支出金・△378億円、税源移譲が288億円、地方交付税・△485億円 結果として△575億円の縮減がなされました。また90年代の大型ハコモノを中心にした巨額投資による公債費負担が県財政を圧迫しています。こうした財政状況のなかで、予算を「県民中心」に組み立てるというのは至難の業の感がいたします。
 そうしたなかで、「事業構築枠」(元気づくり枠)の約半分を健康福祉部関係に当てるなど、福祉重視の姿勢を見てとることができます。福祉関係県単3事業―(乳幼児医療費、母子家庭、重度心身障害者への助成策)は堅持され、あるいは、少子化対策にもきめ細かな配慮が示されています。私の質疑に対する土木部長答弁でも明らかにされましたが、川辺川・球磨川の治水対策、さらには、水俣病対策での健康調査関係、胎児性水俣病支援策、アスベスト対策、食育対策、県産材活用普及策の拡充、入札制度改革など、ひところの県政とは違って「県民」に思いを寄せた内容になっております。
 以上のような点は評価したいと思いますが予算全体については以下の理由で反対いたします。
 第1に、歳入拡大のために、県立農業大学の授業料などの新たな徴収、使用料の引き上げが多数盛り込まれていることです。国の政策による相次ぐ庶民増税、社会保障改悪による負担増、弱肉強食の規制緩和路線の強行による非正規雇用の増大、格差の拡大によって、県民は暮らしと経営の危機にあえいでいます。そうしたなかでの負担増には同意できません。
 第2に、国の自治体破壊の「行革」路線、自治体リストラ政策に沿って、指定管理者制の導入、県職員の給与の引き下げ、職員の削減など、県民へのサービス低下を進められる内容になっていることです。
 第3に、県民や県職員には痛みを求めながら、執行部、議会が、自らの決断によってなすべき改革が棚上げされていることです。
 法的根拠もない、不当な同和関係補助金が、わずか3%減らされただけで、5225万1千円も計上されています。議会費として、海外視察関係が2000万円、費用弁償関係が5800万円組まれています。先ほど述べました使用料・手数料の新たな負担増は、総計して5600万円です。部落解放同盟・同和会への不当な補助金、あるいは県議会の海外視察を凍結し、費用弁償を抜本的に見直せば、5600万程度の財源は確保できるわけで、県民への負担増は避けられるわけです。
 7000億円の県予算全体からすれば少ない額ですが、財政の建て直しと「県民の元気づくり」を統一してすすめていくためには、執行部、県議会が、まずただすべきはただして、そのうえで県民にも、県職員にも協力をお願いするというのがスジであり、そうしてこそ県民が一体となり、力をあわせて事態を前進的に打開できるものであります。
 以上、06年度一般会計予算に対する反対討論といたします。
 
国民保護法に関する請願について

 請願82号「国民保護法に関する請願」についてですが、 請願では「国民保護計画」「国民保護協議会」について廃止できない場合においては、情報公開や議会での審議の保障など当然至極の5つの点について要望をしております。私が初日の質疑でもお聞きし、県からの回答のなかでも述べられましたように、いかなる場合においても、県の使命はあくまでも「住民保護」という立場に明確に立つということにそったものです。

 
以上の点からして、請願は採択されるべきであり不採択には反対であります。


医療制度改革に関して、国に意見書を求める請願について

請願83号「医療制度改革に関して、国に意見書を求める請願」ですが、今国会で上程されております医療制度改革関連法案は、
 第1に、お年寄りを狙い撃ちにした改悪だということです。「現役世代との公平」を理由にしていますが、誰でもが年をとれば病気にかかりやすくなります。そのお年寄りに現役世代と同じ割合での負担をもとめるならば、高齢者への負担割合はより大きくなります。これのどこが「公平」といえるでしょうか。
 第2に、公的医療制度を土台から解体する仕組みが盛り込まれています。「保険証一枚」でかかれる医療を切り縮め、保険が利かない医療を拡大しようとしています。保険が利く医療と、保険が利かない医療をセットにした混合診療が本格的に導入されれば、お金を払える人は、保険が認められていない新しい医療技術や新薬を利用できるが、そうでない人は、はじめからそうした高度な医療をあきらめなければならなくなります。
 いま格差社会と貧困の広がりが大問題になっています。そのときに医療にまで弱肉強食のシステムを持ち込めば、所得の格差が、命の格差に直結することになります。
 この間の国庫負担の削減こそが、医療費の値上げや、高すぎる国保料の元凶となっています。これを計画的にもとに戻すことが大事であります。その財源は、庶民大増税、医療費の負担増などではなく、巨大開発の無駄遣いを一掃し、大企業と高額所得者に応分の負担を求めることでまかなえます。また、高すぎる薬価や医療機器に抜本的なメスをいれれば、ここでも財源は生まれます。
 国の責任で国民が医療費を心配することなく安心して医療を受けられるような医療制度を保障することこそ、医療制度改革ではないでしょうか。84号請願は採択さるべきであり、不採択には反対です。

庶民大増税、消費税引き上げなど、大増税に関して国へ意見書を求  める請願
について

 請願84号「庶民大増税、消費税引き上げなど、大増税に関して国へ意見書の提出を求める請願」についてですが、 いま、景気回復のために必要なのは国民の購買力を引き上げることであります。仮に定率減税が全廃されれば、総額で3,3兆円の負担増が国民を襲うことになり、景気回復とは逆行する事態になります。
 最近の全国紙(「朝日」06・1・29)の世論調査をみても定率減税廃止の問題で廃止反対が57%、消費税が二ケタになるということ対して耐えられないとこたえた人が61%でした。
 今、国民の中には、庶民大増税には耐えられないという声とともに怒りがひろがっています。
 財源対策については先に述べたとおりです。以上の理由により、請願84号は採択されるべきだと考えます。以上で討論を終わります。





日本共産党熊本県議会議員 松岡徹
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