質疑・討論の主な内容
2006年 2月定例議会 3月3日

常任委員長報告に対する討論
 ・05年度一般会計補正予算反対討論
 ・県税条例の一部改正について
 ・産業展示場指定管理者の指定について
 ・水俣市の県環境センターの指定管理者指定について
05年度一般会計補正予算反対討論

 日本共産党の松岡徹です。委員長報告に対する討論を行います。
まず知事提出議案、05年度一般会計補正予算です。
 アスベスト対策、鳥インフルエンザ対策などが計上されておりますが、1番の特徴は、歳入で、国庫支出金23億96百万円が減額され、それに伴って、教育、健康・福祉、環境、土木、林務など各分野にわたって20億を超える減額がなされています。
 児童養護施設の施設整備費、小児・新生児医療のための保育器、産業教育の充実ためのパソコンの更新が9校から2校に、災害復旧や災害防止のための河川改修や森林整備費、県道の電柱地中化事業費等々、緊急かつ重要な施策が国庫支出金減のためにカット又は先送りになっています。
 05年度政府予算、さらには06年度政府予算案を検討してみますと、「三位一体改革」の名のもとでの地方への財政縮減、公共事業においては、三大都市圏環状道路、大都市圏拠点空港整備、京浜・伊勢・阪神のスーパー中枢港湾などには巨額の予算をつぎ込みながら、公営住宅、下水道、地震・水害などの災害対策など、国民が求める施策については厳しく削減するといった、国民の立場、地方に視点でみると実に情け容赦ない予算になっています。
 05年度末は、国庫支出金の切り詰めにとどまらず、国は、地方交付税特例法を成立させ、地方交付税の削減をさらに拡大してきています。
 交付税法は、年度途中で増額された地方交付税は当該年度に特別交付税に加算して地方公共団体に配分する、地方財政法は年度間調整は地方公共団体自身によって行うとしています。これらは交付税というのは地方公共団体の固有の財源という性格にのっとったものです。この原則をゆがめて交付税を翌年度に繰り越し、国が全額補填すべき06年度の地方財政の財源不足に当てるという2重に問題がある、とんでもないものです。ちなみに、このことによる熊本県への影響は概算すると120億円程度だということです。
 地方を切り捨てる、地方自治体が自治体らしい仕事ができなくするような政府の政策方向の中で、国庫支出金が大幅に削られ、交付税が減らされ、県民の暮らしや福祉、教育、環境などの施策が狭められていくという姿を如実に示している補正予算に到底賛意を示すことはできません。また県の主体性として、障害者や医療、教育などの分野で、可能なかぎりの独自の予算措置を取れないのかということも指摘したいと思います。
 以上、一般会計補正予算への反対討論といたします。
 
県税条例の一部改正について
 

 つぎに知事提出議案21号県税条例の一部改正についてです。
 生計同一の妻に対する非課税が廃止され、1000円の県民税を徴収する、経過措置として半分の500円としていたものを満額の1000円にするというものです。女性の所得は約7割が240万円以下であり、家計所得全体もなお停滞しているのが現状です。さらに定率減税の廃止などサラリーマン増税もなされている中であり、この措置については同意できません。

産業展示場指定管理者の指定について

つぎに第40号、産業展示場指定管理者の指定についてです。
 指定管理候補者が、次点より点数が低いにも拘らず、僅差ということで逆転しています。そうなった選定理由にあげられている、地元メヂア各社との協力等については、むしろ特定の放送会社の100%出資会社が管理することによって弊害さえ懸念されるところです。
 政治とメデアの関係においては、節度と適度の緊張関係が求められます。不明瞭さや疑義をはらむような関係はあってはなりません。
 日本の政治の基本システムである三権分立がすでに形骸化し、時の政府への一権集中化が進んでいます。第4の権力といわれた―すなわちジャーナリズムに、政府・権力への批判と監視が期待されましたが、これまた一権集中の流れに飲み込まれ、あるいは自ら埋没する状況がなしとはいえない現状です。
 私は、一昨日の県国民保護計画の質疑で、「報道機関の言論の自由、取材の自由」の保障について、特別に重視し、ふれましたが、「言論、報道の自由」「報道機関の自律」というのは、メデア側においても、自らを律していく不断の努力が求められるべきものであることは言うまでもありません。こうした角度からも、本件は不適切であると考えます。
 以上の理由で第40号には同意できません。


水俣市の県環境センターの指定管理者指定について

 つぎに第36号、水俣市の県環境センターの指定管理者指定についてです。
 水俣市にある環境センターですから、その設置目的、地域的特性等を十分考慮し、選定するような検討、選定がさされるべきではなかったかと考えます。昨日建設常任委員会で、指定管理者指定の案件の議論をいたしましたが、その中で「地元であることの重視」ということが執行部の答弁でもありました。水俣市にある環境センターですからこの点は特に大きなウエイトを占めるべきではないかと思います。公の施設の管理というひとつのなかにも、世界最大の水公害で、多大な被害をこうむった水俣の活性化、再生への探求を図っていく、援助していくという姿勢が必要ではなかったかと考えます。
 以上の主旨で、第36号については反対であることを述べ、討論を終わります。