質疑・討論の主な内容
2005年 9月定例会 9月28日

議員提出議案(意見書)についての討論
 ・「郵政事業改革にあたっての意見書」について
 
「道路特定財源確保に関する意見書」について

議員提出議案についての討論

「郵政事業改革にあたっての意見書」について
 
議員提出議案「郵政事業改革にあたっての意見書」に対する反対討論を行います。
 昨年2月定例県議会において「郵政事業民営化にあたっての意見書」が全会一致で採択されております。その意見書は、「競争原理に基づいた民営化が実施されれば、不採算地域においては郵便局の廃止や各種料金の値上げも想定され、ユニバーサルサービスの確保が困難になるなど住民生活に大きく影響することになりかねず、構造改革の名のもとに行われようとしている民営化には反対せざるを得ない」と述べています。
 郵政関連法案は基本において、この意見書採択時となんら変わっておらず、まさに「構造改革の名のもと」での「民営化」には反対すべきであり、民営化前提の一部改善要望には、同意できません。
 小泉首相は、「郵政民営化に賛成だと国民は答えを出してくれた」と総選挙結果を受けた会見で述べましたが、これは正確ではありません。与党が得た得票は小選挙区では49%、比例で51%であり、国民の賛否は相半ばというのが実態であります。議席数で3分の2をとれたのは、4割台の得票で7割台の議席がとれるという小選挙区制の非民主的な仕組みによるものです。
 しかも、小泉首相は、総選挙の中で「税金の無駄をなくす」「民営化すれば税収が増える」と繰り返しましたが、これは、郵政事業は独立採算であり、税金は投入されておらず、郵政公社からは、現行法人税率よりも高い割合である、収益の半分を国庫に収めるようになっているという事実とは明らかに違うもので、今後国会審議の中で糾明さるべきものであります。
 こうしたやり方で得られた結果を追認し、従前の立場―すなわち「構造改革の名のもとでの郵政民営化は反対」との全会一致決議の態度を変えることは、県民に責任を負う政治家のとるべき態度ではないと確信をいたします。
 通常国会の審議の中で、竹中郵政担当大臣は、政府の郵政民営化準備室と米国政府関係者の協議が昨年4月以降18回も行われ、うち5回は米国の保険業関係者との協議だったことを明らかにしています。郵政民営化は、郵貯の資金340兆円を日米の大銀行、保険会社に提供することに本質的な目的があります。そのために全国2万4千の郵便局をベースとした郵便・貯金・保険の国民へのサービスを切り捨てていくものであり、郵政民営化そのものに厳しく反対すべきものであります。
 以上の理由で議員提出議案第11号には反対であります。


「道路特定財源確保に関する意見書」について
 次に議員提出議案「道路特定財源確保に関する意見書」についてであります。
道路特定財源は、1970年時には8千億円だったのが、現在はその7倍以上の5.7兆円と膨れあがっています。一般財源をあわせた道路支出は、国土面積が日本の25倍もあるアメリカに匹敵するほどです。
 道路特定財源をもととした道路整備の現状はどうかというと、国道・都道府県道の舗装率は、当初の5%から96%に達しています。 
 面積あたりの道路密度は、1平方キロメートルあたり3キロを超え、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの2倍ないし3倍になっています。
 こうした状況のうえにたって、小泉首相もスタート時には、「骨太方針」の柱の一つとして、道路特定財源の見直し、一般財源化を打ち出し、自民党の選挙公約とされた経緯があります。また最近あらたな「見直し」論が浮上しました。借金返済が予定よりハイペースで進み、07年度からは史上初めて多額の余剰金が生じるからです。
 以上のようにみてきますと意見書がいかに時宜にそっていないかは明らかではないでしょうか。
 日本共産党は、道路特定財源を一般財源化することによって、年金などの社会保障の財源への一部にすると同時に、道路では県道、市町村道など生活密着型への活用へと切り替えていくことを提案しています。以上の理由で、議員提出議案第には反対であります。





日本共産党熊本県議会議員 松岡徹
〒862-8570  熊本県熊本市水前寺6-18-1議会棟内
TEL FAX  096-385-8770 MAIL :matsujcp@khaki.plala.or.jp