質疑・討論の主な内容
2005年 11月定例会 12月14日

知事の知事提出議案や請願についての討論
 ・一般会計補正予算について
 ・熊本県畳表格付け条例の一部改正について
 ・
議員の海外視察の凍結を求める請願について
 ・水俣の産業廃棄物最終処分場建設反対に関する請願について
 ・私学助成の充実に関する請願について

 ・定数を減らしゆきとどいた教育を求める請願について

一般会計補正予算について

一般会計補正予算でありますが、災害復旧関連についてはいうまでもなく同意するものです。しかし心身障害者小規模通所授産施設運営費補助19,688千円、心身障害時の放課後・夏休みのデイサービス事業費など4,404千円の減額には賛成できません。
さきの特別国会において成立した障害者自立支援法は、障害者自立という名称とは逆に、障害の重い人ほど負担増を課せられるもので、そこまで弱者に痛みを求めるのかと、その非情さに怒りを押さえることができない法律です。
重度の障害児を持つ家族からは、「将来がまっ暗闇みたいになった」「子どもと一緒に死のうかという気持ちに追い込まれている」などの悲痛な声があがっています。こうしたなかでの減額は、失意と不安の極にいる障害者とその家族に追い討ちをかけるものであり、さらに9月県議会で、「障害者施策の充実を求める請願」を全会一致で採択した本県議会の意思にも背くものであります。以上の理由で一般会計補正予算には反対であります。

熊本県畳表格付け条例の一部改正について
熊本県畳表格付け条例の一部改正は、規制緩和の流れのなかで、現在県が行っている格付けを廃止し、認定を受けた業者などによる格付けのみにするというものです。
業者とは、生産者、販売業者、輸入業者などであり、こうした関係の認定事業者による格付けが果たして、産地にとって、消費者にとって、公正な格付けとなる保障があるのかは、はなはだ疑問です。これまで県が行っていた格付けに決定的に問題があったのからというのではなく、規制緩和、官から民へということでのこうしたあり方は、耐震強度偽造問題に共通するものであり、強い懸念を持たざるをえません。畳表格付け条例の改正には反対であります。

議員の海外視察の凍結を求める請願について
「議員の海外視察の凍結を求める請願」ですが、請願書にある「厳しい県財政のなかで財政健全化をはかりつつ、県民の暮らしを守るし施策を進める」ために、「海外視察の当分の凍結を」という趣旨は、現在の県財政、県民の目線で考えるならば至極道理ではないかと考えます。
今期においては、04年、05年で6100万円余が支出されています。それぞれの海外視察報告書を仔細に見ますと、相当倹約し、福祉、教育、環境などの視察・研究を実施しているケースもありますが、ラスベガス泊やなんら中身が報告書に記載されていないローマの1日など、県民の立場から見ると納得がいきかねるものもかなり見受けられます。
議員が海外にも視野と見聞を広げることはもとより必要であり、海外視察を否定するものではありません。私自身、都市交通、公共交通とまちづくりの実態を勉強したく、この夏、自費によってハイデルベルグやウイーン等にまいったところです。
請願者が、常任委員会での趣旨説明のなかで、「小学校入学前までの医療費無料化を毎年お願いしても実現してもらえないなど、財政難を理由にいろんな切実な要望が滞っています。こんな時、公費での海外視察は凍結してください。なさるなら自費でして下さい」と訴えられました。
これまでのいきさつなどは、いろいろあるかと思いますが、今後は凍結ということで、請願は採択さるべきと考えます。

水俣の産業廃棄物最終処分場建設反対に関する請願について
つぎに「水俣の産業廃棄物最終処分場建設反対に関する請願」ですが、企業の産業廃棄物によって、世界最大の水公害・水俣病の被害をうけ、そしてその被害が公式発見50年を迎える現在も解決をみていない水俣に、大規模な産業廃棄物処分場をつくることについては、水俣市人口3万人中2万人が反対の署名をしているように、重大な問題があることは明らかであります。
「水俣市民が等しく願う、安心・安全で健康な暮らしを今後とも確保するため、大規模な産業廃棄物最終処分場の建設は到底受け入れることはできません」との請願者の切なる思いを受け止め、請願の採択を訴えるものです。

私学助成の充実に関する請願について
 次に、私学助成の充実に関する請願です。ご承知のように1975年に成立した私学振興助成法」の付帯決議は、「可及的速やかに経常費の50%を実施すること」を謳っております。しかしながら35年がたった現在、高校進学率は96%に達したなか、私立高校の学費は、約52万1千円と、公立の約11万9千円の4倍以上になっています。父母負担軽減のために私学助成を拡充すること、特に失業、倒産などによる家計困難な家庭に対する助成措置の拡充などは、緊急に必要な課題であり、請願は採択さるべきだと考えます。

定数を減らしゆきとどいた教育を求める請願について
 小学校2年生までの35人学級を3年生まで拡大することを要請しています。熊本市においては、ご承知のように教育特区として次年度、3年生までの35人学級実施が予定されております。県下すべての学校で同レベルの体制がとられるべきであります。
また請願は、義務教育費の国庫負担制度の堅持などを国に求めるものとなっておりますが、これも的確なものであります。したがいまして、請願は採択されるべきであります。
以上述べましたように、これらの請願は採択さるべきであり、不採択には反対であります。



日本共産党熊本県議会議員 松岡徹
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