質疑・討論の主な内容
2005年 11月定例会 12月7日

「安心安全なまちづくり」に触れた知事の議案説明に関する質疑

 「安心安全なまちづくり」に触れた知事の議案説明に関する質疑

松岡
 知事の議案説明要旨に関連して質疑を行います。
なお今議会では一般質問はできませんので、県政運営と来年度予算編成に当たっての留意点、具体的な項目としての148項目を文書で先日要請をしております。また川辺川ダム問題については、利水、治水、環境、財政、五木再生にわたってこれも文書で提案をいたしております。これらについて、是非ご検討いただきますようまずお願いしておきたいと思います。
 来年度予算編成方針のなかで「ゼロ予算事業」というのがあげられておりますけれども、要は金は使わなくても、県民のためにやれることは大いにやる、やらなければならないということだと思います。今日の質疑の中味もそうしたもののなかに位置するものと考え、取り上げたわけでございます。
 知事は議案説明の冒頭、八代市出身の小学生殺害事件にふれ「改めて県としては、地域と一体となって、犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくりに、更にしっかりと取り組んでいかなければならない」と決意を述べられました。
これに関連して、安心で安全なまちづくりについて伺います。
熊本市武蔵丘1丁目のニコニコドー武蔵丘店あとに、パチンコ台720台を要する大型パチンコ店の出店計画が明らかになり、「住宅地、文教地区の真ん中にパチンコ店出店は困る」と地域をあげての反対運動となりました。このなかで住民側が危惧した問題のひとつに、100名ほどの園児が通う保育園、年間延べ4300名の親子連れが通う子育て支援センターにパチンコ店が隣接するという問題でした。
こうした状況に対して、条例などで何とか規制できないのかということでありますが、現在の熊本県風俗営業等の規制および業務の適正化等の法律施行条例では、営業制限地域規定に、保育園などの児童福祉施設が含まれておりません。約6000名の署名が集まり、地域の皆さんは、熊本市、県、県警察への要請などを繰り返しやられましたが、パチンコ店は出店ということになりました。
 他県の県条例――首都圏はもとより九州各県の県条例を調べて見ますと、福岡県、佐賀県、大分県、宮崎県、鹿児島県では、児童福祉施設との一定距離内の隣接については営業規制が織り込まれております。
武蔵丘地域では、町内会連合会、青少年育成協議会、PTAなど地域の諸団体と事業者との間で、生活環境、こどもと住民の安全、今後の規模拡大の際の住民への説明責任等協議等についての合意書が結ばれるなど「犯罪のおきにくい安全安心のまちづくり」の取り組みが進められております。こうしたケースはほかにもあるだろうし、今後もありえるわけであります。事態に的確に対処できるように、この際、県条例改正をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。県警本部長に伺います。
次に新聞報道でもすでになされておりますが、かがわパーソナルの年金担保融資問題について伺います。
高齢者や障害者を標的に、年金を担保にとり、長年にわたって食い物にする、年金担保融資の被害は、全国で10万人以上と推定されております。こうした事態に対処するため、昨年12月、貸金業規正法が一部改正され、公的給付にかかわる預金通帳などの保管の制限や罰則が定められたわけであります。
 法改正がなされた今、こうした行為に対しては、法に基づいて厳正に対処し、一掃する決意をもって臨まなければなりません。
8月24日、弁護士、司法書士等が「かがわパーソナル」を、貸金業規制法、出資法違反で、熊本県警に告発しています。同日熊本県に対して、貸金業登録の取り消しの行政処分を求める申告がなされています。9月8日には、県警と北署によるかがわパーソナルに対する貸金業規制法違反容疑での家宅捜索が行われています。10月17日、かがわパーソナルが、家宅捜索後も、同社の関連会社名義で、年金受給権を奪い債権回収を行っていることに対して、再度厳正な対処をと、県警、熊本県に要請がなされております。なお、かがわパーソナルは10月27日、貸金業を廃業しています。
 以上が、この問題の経過でありますが、まず、公的年金の受給者はもとより、こうした「年金担保融資」というのが違法であるということを、もっと県民に知らせるための様々な取り組みをやっていただきたい。
2点目に、こうした違反事例に対しては、県警においても、熊本県においても厳正な対処をお願いしたい。兵庫県尼崎市、姫路市、京都舞鶴、青森、高知、香川などでは、警察によってこうした業者が逮捕されております。
 3点目に、かがわパーソナルは廃業しましたけれども、資金の回収を図るものと思われます。被害者の立場に立った救済、支援が必要ではないか。また違法年金担保融資を行っているのはこの業者だけではありません。被害が拡大しないような十分な対策をとる必要があると考えますがいかがでしょうか。商工観光労働部長にお願いいたします。県警本部長には2点目について伺いたいと思います。


警察本部長
まず、パチンコ店の営業制限区域についてであります。全国的な条例の状況や、最近の県下の風俗環境にかんがみまして、県警察といたしましても、今後、地域住民の方々のご意見等をふまえつつ、条例改正を視野に入れて対応してまいりたいと考えております。
次に、年金担保融資についてであります。個別の事案につきましては、捜査という事柄の性質上、コメントを控えたいと思っております。ただ一般論として申し上げましたら、警察は刑事事件として取り上げるべきものがありましたら、これまでも法と証拠に基づいて厳正に対処してきておりますし、今後も同様に対処する所存でございます。

商工観光労働部長
貸金業者による年金担保融資について3点のお尋ねでありますが、まとめてお答えいたします。昨年12月の貸金業規正法の改正により、罰則等が明文化されたことから、改正内容について、全登録業者に通知するとともに、営業所への立ち入り検査、研修会等の機会をとらえ、指導の徹底に努めてきており、また今回の件を契機に、改めて適正な業務の運営に努めるよう通知を行っております。今後とも違法な年金担保融資が確認されれば法律の規定に基づき適正に対処してまいります。また高齢者等の方々がこのような被害にあうことがないよう、これまでも県のホームページに注意事項を掲載しておりますが、今後「県からの便り」でも注意を喚起するなど、いっそうの広報・啓発に努めてまいります。なお、債務者で年金等が主な収入となっている方々につきましては、その収入状況に配慮した債権の回収を行うよう、貸金業者等を指導してまいることといたしております。





日本共産党熊本県議会議員 松岡徹
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